まずは簡単に自己紹介をお願いします

私の名前は、Phan Hoang Minh(ファンホアン ミン)です。ハノイ出身で、日本の大学に4年間留学し、その後ハノイ(4年)・東京(2年)・ホーチミン(1年半)での就業経験あります。

ハノイ、ホーチミン、 東京、どの都市が好きですか?

すべて好きです。ハノイはお姉さん、日本はお兄さん、ホーチミンは恋人みたいなものですね(笑)。

Minhさんは日本に学生時代~社会人あわせて6年間住んでいたとのことですが、そもそも日本に留学した理由を教えてください。

子供の頃から漫画やゲームなど日本のサブカルチャーが大好きだったので、いつか行ってみたいと思っていました。
漫画は、ドランゴンボール、キャプテン翼、ドラえもんのような定番で明るい漫画が好きですが、それと同時にあまり知られていないような日本の面を描写する漫画も好きです。

また、TVゲームも大好きでしたが、当時ゲーム機はとても高価なものだったので購入できず、TVゲーム機を置いて商売をしている場所に親に隠れてよく通っていました。通いすぎて相当家族のお金を遣ってしまいましたね(笑)。ファミコンを父が買ってくれた時はとても嬉しかったのを覚えています!

日本のサブカルチャーは本当に広く奥深いので、これからもずっと楽しい発見をしていきたいです。

学生の頃は何を勉強していましたか?

ハノイ工科大学で1年勉強した後、奨学金を受け日本の大学に留学し、電子情報(電子回路、組み込みシステムなど)を学びました。専攻した理由としては、日本で発展している分野だったからです。あと、ベトナムでは、「男性は技術を勉強すべき」という考えが強いのもありましたね(笑)。

大学では日本語の授業もあり、そこで勉強して日本語を使う楽しさを知り、日本への好感が更に高まりました。

大学卒業後はどんな会社で働きましたか?

卒業後はハノイに戻って、当時は小さかったソフトウェア開発会社で働きました。経験のなかった自分に、日本とベトナムを繋ぐ、BrSE (Bridge system engineer)として働くチャンスを与えてくれました。それから現在までずっとBrSEというポジションを担っています。

大学の専攻とは違う分野の会社を選んだのはなぜですか?

当時からベトナムのソフトフェア会社が大きく成長してきていて、ベトナムにソフトウェア開発拠点を設ける日本企業も増えてきていました。成長分野で日本とベトナムを繋げる仕事がしたかったのが大きな理由です。また、大学で勉強した基礎的なプログラミングは共通だったので、学んだことを生かすことができると思っていましたが、実際は勉強することがほとんどでした。

ハノイで4年間働いて、また日本に戻ろうと思ったのはなぜですか?

ハノイで長らくBrSEとして仕事をしていましたが、働いていく中で、日本側で働いてより自分を成長させたいなという意識が芽生えてきました。

具体的なエピソードとしては、担当しているお客様ととても仲良くなり、フランクに話せる機会が多くなって、自分としては良い関係性を築いていると思っていました。しかし、ある日そのお客様から、ちょっと仲が良すぎて仕事が緩くなってしまったことを指摘されて、かなり傷つきました。その時、日本側のお客様はどういう心境だったのかが自分はうまく想像ができませんでした。

また、別の案件の話ですが、プロジェクトを進めていく上で課題が見つかり、ベトナムチーム内で解決のためのディスカッションを行ったのですが、根本的な解決がそこではできませんでした。しかし、日本側にはそれがありました。

日本側の考え方や大切にしていること、日々の業務の状況などがわかれば、ベトナムと日本のより良いブリッジを築けると思い、日本に戻って働いてみようと決めました。

日本で働く上で、大変だったことや学んだことを教えてください。

実際仕事は難しいことも大変なことも多くありましたが、学ぶことがたくさんあり、辛いとは思いませんでした。

会社の上司はとても良い方で、日本の会社での業務の進め方や社会人として気をつける点、考え方などを時間をかけて教えてくれました。また、プレゼンの練習や、物事を素早く理解する考え方のレクチャーもしていただきました。

その後、仕事での考え方が大きく変わって、ほぼ別人になったと感じました。

日本で働いた後、ホーチミンのTBVで働こうと思ったきっかけは何でしたか?

実は、特にホーチミンには絞っておらず、ハノイや日本にある会社も含め転職を検討していました。

その中でTBVに入社したいと思ったきっかけは、上流工程の仕事ができて、最終的にユーザーに直接価値を届けようという姿勢に魅力を感じたからです。

また、日系企業向けのベトナムのソフトウェア開発会社にとって、それは簡単なことではないと知りましたが、その目標を本当にを実現しようとする姿勢にも共感しました。TBVは、数百ものITサービスを提供する大企業である
Yahoo!JAPANの子会社なので、それを実現する根拠があると信じています。

TBV入社後の、役割について教えてください。

役割は引き続き、BrSEとして日本のヤフーとのコミュニケーション・要件定義・仕様書作成、チーム運用改善などを行っています。

まず、入社して初めに担当させていただいたのは、ヤフオクというヤフーが運営する日本最大級のオークションサービスでした。非常に巨大なシステムなので、1つ1つの小さな機能であってもヤフー側のクオリティへのこだわりは非常に高く、また、チームのパフォーマンスやチーム管理という開発以外に関するTBVチームへの期待も大きかったです。

スケジュールと品質に関してヤフーの要求に応えるだけでも簡単なことではありませんでしたので、私がチームに加入後、進行中のタスクに追いかけるだけでも精一杯でした。ただし、その仕事の流れにチームが永遠に巻き込まれるわけにもいかないことは意識していたので、残りのわずかな力でチームと一緒に作業範囲を広げる方法を探しました。幸いなことに、この動きはヤフー側からも大きく応援していただきました。

スケジュールが厳しい進行中の案件をしっかりとやりながら、ノウハウも蓄え、運用改善も行うという難しい場面を乗り越え、火がつくほど熱いチーム内のKPT会議を何回も行った結果、チームは自力で解決できる課題を増やし、シンプルなリクエストから要件定義をし、ヤフーとの仕事をより効率的に行う方法を自ら考えて提案できるようになったと思います。

ヤフーとTBVに関する山のほどある知識を私がまだ何も理解できていなかった頃から、TBVのヤフオクチームのメンバーは、私の要望を常に理解して全面的にサポートしてくれました。彼らは素晴らしい仲間であり、同僚としても一個人としても尊敬しています。

入社直後にヤフオクを担当させていただいたことは、本当に幸運だったと思います。

現在はどのようなサービスを担当していますか?

1年くらいヤフオクを担当した後、ヤフー社内で利用する日報ツールを担当してます。この案件は、プランニングから、要件定義、開発、リリース、保守までまるっとTBVで受けることを目標にしています。

これは自分が入社したときからチャレンジしたかった領域なので異動を決断しました。

日報ツール案件の今後の目標は?

担当している日報ツールを使ってくれる人たちが、最終的に「便利だな・良いツールだな」と思ってくれることを目標に、その達成のためにチームと一緒に色々な手を尽くしたいと思っています。

まずは、一つ一つの機能をしっかりと仕上げてヤフーの情報システム部門担当者との信頼関係を作りながら、少しずつユーザーファーストというイメージに近づけるアクションをチームと一緒に取りたいです。

ヤフーが外部提供しているサービスほどユーザーは多くいませんが、ヤフー社員が毎日使う大事な社内ツールなので、これでヤフーの業務に貢献して、ユーザーである社員の皆様を喜ばせたい気持ちを強く持っています。

仕事をする上で一番大切にしていることは?

WHY(なぜ)を考えることをを大切にしています。自論として、人間は本気で努力すれば大体目的を達成できると思いますが、なぜ努力するかの理由を見つけること自体は難しいと思っています。理由がなければ努力はしません。ヤフー、TBVメンバーのみなさんはこの案件を通じて何を達成したいのか?プロジェクトの関係者は何を手に入れたいのか?これをしっかり自分の中で落とし込んで、業務に取り組むようにしています。

お金を出しているお客様が喜べばそれでいいと思いがちですが、それはとても大切なことでありながらも、チームメンバーのやりたいことや気持ちを汲み取ることも同じく大事だと思っています。BrSEの「ブリッジ」というのはそういう意味だと考えていて、距離が遠くそれぞれの要望を持つ両側をつなげて、両側の目標を達成することがBrSEの仕事のやりがいだと思います。

場合によっては、なぜを3回(3WHY)問うことで物事の本質を見つけ、把握することもあります。一瞬手間がかかる考え方に見えてるかもしれませんが、慣れてきたら、個人でもグループでも、経験・知識の深さを大きく高める効果が期待できると思っています。

最後にTBVの魅力を教えてください。

社員のできる業務範囲を増やすことを目指しているところです。すなわち、一つのことを何回も行うよりも、多くのことをできるようにすることを優先しているところが魅力的です。ユーザー思考、環境やコミュニケーション面の改善をはじめ、日本との差分を本気で埋めることは、ベトナム人エンジニアの価値が上がる一番近い道だと思うので非常に共感しています。

同時に、プロセス、セキュリティ、トレーニングにも大きな力を入れており、しっかりとした土台を築こうとしていることもとても良いと思います。「何もかも自由にできる」環境は良い環境というわけではなく、「自由にさせないこともある」というのも大事だと思っているからです。

また、優秀なメンバーが多く、モチベーションも高いです。メンバーの自律性、技術力、チームワークが良く、しっかりサポートし合える環境です。

そして、会社の雰囲気が明るいですね!これは、オフィスは日当たりが良い(TBVのオフィスは非常にきれい)か、それとも社員が明るく親切な人が多くいるかのどちらなのかな?多分両方だと思います(笑)

最後に、ワークライフバランスを大切にして、効率的に働くことを優先し、基本的に残業はしないという方針を、TBVは徹底しています。これは外の人はかなり想像しづらいことですが、TBVの1つの素晴らしい特徴で、是非1回試してほしいと思っています!

  • 写真 :Camera Team
  • デザイン : Loan Pham

2020/05/21